もうすぐ、春。さぁ、旅に出よう。

かつて、新幹線や特急列車には食堂ビュッフェがありました。
子どもの頃、自由席が混んでいると、「よし、食堂車行こう!」と父親は僕を食堂車やビュッフェに連れて行ってくれたものでした。
車窓を眺めながら食べるサンドイッチやカレーの、非日常感の味わいは格別で、立食であったビュッフェの狭いカウンターもちょっとドキドキするような感じがありました。

小学生のとき、いまは無き寝台特急「富士」に乗りました。
東京から西鹿児島まで24時間もかかる長旅、ひとつのコンパーメント6人掛けで、ベッドが上中下と三段になっている狭いB寝台。
興奮で眠れないほどでした。
食堂車でも食事をしましたが、同じコンパートメントに乗り合わせた、旅行好きの大学生のお兄さんやお姉さんにもらった菓子パンが嬉しかった。
あちこちの旅先の話を聞きながら、自分も行ったような気になって、菓子パンを頬張ったものでした。

いまは食堂車もないし、電車の中での触れ合いも少ないので、おとなしく駅弁を食べるくらい。
それでも、駅弁を食べながら、旅先での食事に思いを巡らせます。
電車に乗っている時間が長いほど、その思いが強くなります。
旅での食事の楽しみは、電車に乗っているときから始まるのです。

これは僕だけではない、ですよね?

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