ホテルの客室から外を眺めるのが好きです。
それがどこか遠くの旅先でも優雅なリゾートでもなく、東京や横浜や山梨のよく知る場所であっても。
窓の外に見える人や車は、きっと普段の自分。
いつもならあの中で、みんなと同じように歩いているはずなのに、今日の自分は少しだけ離れた部屋の中。
その距離の分だけ、非日常を実感します。
清潔なベッドにハシャいで飛び込むことも、
バスタブや大浴場にいつも以上にゆっくり浸かることも、
荷物を置いて手ぶらで散歩することも。
20時間くらいの束の間の自由がここにはあります。
眺める街並みや夜の帳に溶け込んでみたくなったりもします。
穏やかで平凡な日常は大切なものだけど、
退屈と隣り合わせでもあるからこそ、ときにはリフレッシュのための非日常が必要なのかもしれません。
いつもの自分を少しだけ離れた場所に置いてくることで、取るに足らない日々を肯定できるのではないでしょうか。
旅に出たら必ず帰ってくる場所があるように、非日常の後に待つのは、いつものありふれた日常です。
だけどホテルを後にした次の日には、
「さて、今日からまたがんばろう」
そんなふうに思ったりします。
来年は、みんながもっと自由に出かけられるような一年になってほしい。
とりわけ今年は、なかなか大変な年でしたから。
それでは、みなさん、良いお年を。
— Location:山梨県富士吉田市(月江寺大門商店街/新世界乾杯通り/西裏)